本当に悲しいお知らせです。
先月の五月末に、田中明美さんが癌で亡くなられました。
明美さんは健康状態が望ましくないにも関わらず、彼女が心から大切にする理想を実現するため、最期まで活動を続けられました。その活動は彼女が設立した、2011年の東日本大震災で被災した子供たちを支援する慈善団体「Aid For Japan」の10年間におよんでの募金活動や被災した子供達への個人的サポートなどです。彼女の惜しまぬ努力によって子供達の人生は大きく変わったと言えましょう。
明美さんの献身は慈善活動だけではありません。彼女はその長年にわたるキャリアを通じ、日本文化を世界中に伝えるため、指導、講演活動そして様々な事業を企画し、彼女と出会った多くの人々に大きな影響を与えてきました。
それと同時にここ数年は伊藤詩織さんへのサポート、日本の性暴力問題を改善するための闘いに一緒に臨み、尽力されました。
近年の彼女の著書「The Power of Chōwa −−調和の力」では、新しい読者に明美さんの知恵を「調和」という 日本固有のコンセプト−−バランスの探求−−を用い、改めて彼女の日本文化の理解を深める活動を拡大。
この本は今も多くの人に読まれており、この成功は明美さんの情熱の証です。と同時に明美さんがもうここに いないという悲しみを私たちにより一層呼び起こすことでもあります。しかし、この本の中で明美さんは私たちに救いの言葉を残されました。明美さんはこの本の中で自身の死生観についてこう語っています。
人は大切な人を亡くした時、まるで自分が崩れ落ちて
そこから立ち直る術が全く見つからないように感じるのは、
いたって自然な事です。
しかし調和は私たちに教えてくれます。
人は悲しみの中にある時、
自然と集まります。
最も大切な事はここに残された人たちであり、
それぞれが自分を取り戻すため、
お互い助け合うことなのです。